2011年のオーストラリアグランプリは、ロードレース世界選手権の2011年シーズン第16戦として、10月14日から16日までオーストラリアのフィリップ・アイランド・サーキットで開催された。この年のレースでは、最高峰MotoGPクラスでチャンピオンが決定した。

概要

125ccクラス

125ccクラス予選では、ポイントランキング2位のヨハン・ザルコが2戦連続・シーズン4度目のポールポジションを獲得した。以下フロントロウにはサンドロ・コルテセ、ジョナス・フォルガーが並び、ポイントリーダーのニコラス・テロルは4番グリッドからのスタートになった。

日曜日の決勝はスタート直前に雨が降り、ウェットレースが宣言された。レインタイヤを選択したアドリアン・マルティンがピットスタートながらトップで1周目を終える圧倒的な速さを見せたが、やがて路面が乾いていくと急速に順位を落とした。代わって6周目にトップに立ったコルテセがその後独走、21周目にニクラス・アジョの転倒に伴い赤旗が掲示され、23周の予定だったレースは20周終了時点で成立、コルテセの2勝目となった。

2位にはルイス・サロムが入り自身2度目の表彰台を獲得、3位にはザルコが入った。テロルは序盤にペースが上がらず2周目には18位にまで沈んでいたが、最後は6位にまで順位を挽回した。この結果チャンピオン争いでは、テロルに対しザルコが25ポイントに差を詰めて終盤2戦に臨むこととなった。

Moto2クラス

Moto2クラスでは金曜朝のフリー走行で、セッション終了のチェッカーフラッグが振られた後にスロー走行していたラタパー・ウィライローに、ポイントリーダーのマルク・マルケスが高速で衝突した。左脚・背中・首を強打したウィライローのダメージは大きく、今回を含めて2戦を欠場することとなった。左眉を1針縫う怪我を負ったマルケスには、「ウィライローに危険を与えた不責任な行為」として予選タイムに60秒を加算するペナルティが課せられた。

土曜日の予選では、前年のオーストラリアGPを制したアレックス・デ・アンジェリスがシーズン初のポールポジションを獲得した。2番手はマイク・ディ・メッリオが入り、クラス自己ベストグリッドを更新した。3番手には高橋裕紀が続いた。ポイントランキング2位のステファン・ブラドルは8番グリッド、マルケスは13番手のタイムを出したが、前日のペナルティにより最後尾38番グリッドからのスタートになった。

決勝レースでは中盤以降デ・アンジェリスとブラドルのマッチレースが展開された。決着はファイナルラップ、1コーナーでトップを奪われたブラドルは次のコーナーで挽回しようとするがデ・アンジェリスのリアに接触。ブラドルが大きくタイムロスし、デ・アンジェリスがオーストラリアGP二連覇となるシーズン初優勝を遂げた。

マルケスは好スタートを決め、22台を1周目に抜いて16位に浮上。終盤にはクラウディオ・コルティとの3位争いを制し、見事35台抜きを遂げて表彰台を獲得した。この結果ポイントランキングではブラドルが首位を奪還したものの、マルケスとのギャップは僅か3ポイントに留まった。

MotoGPクラス

MotoGPクラスでは今回、ポイントリーダーのケーシー・ストーナーがランキング2位のホルヘ・ロレンソに対し40ポイントのアドバンテージを持って地元GPに臨んでおり、10ポイント以上リードを広げることがストーナーのタイトル獲得条件となっていた。

土曜日の予選では、ストーナーが5戦連続シーズン11度目、地元GPで4年連続となるポールポジションを獲得した。2番手にロレンソ、3番手にマルコ・シモンチェリが続いた。 日曜朝のウォームアップ走行、ロレンソは転倒した際に左手の薬指の先端部分を切断する重傷を負った。またチームメイトのベン・スピーズも予選セッションで頭部を強打した影響で集中力を欠き、ヤマハワークスの2人は揃って決勝を欠場することとなった。これでストーナーのタイトル獲得条件は、6位以上でのフィニッシュとなった。

午後の決勝レースはドライ路面でスタートしたが、途中から雨が降って白旗が振られた。レース終盤の雨は特に強く全ライダーが大きくタイムを落としたが、上位陣の多くはドライタイヤのまま走りきった。そんなコンディションの中、ストーナーが1周目から他を大きく引き離して独走でシーズン9勝目を挙げ、自身26歳の誕生日に地元グランプリで2007年以来2度目の世界チャンピオンに輝いた。またこの勝利により、ホンダの2006年以来となるコンストラクターズ部門制覇も確定した。

2位にはアンドレア・ドヴィツィオーゾとのバトルを制したマルコ・シモンチェリが入り、自身クラス最高位を更新した。4位にはダニ・ペドロサが入りホンダがトップ4を独占、続いて5番手には終盤まで3番グリッドからスタートしたアルバロ・バウティスタが走行していたが、雨に足をすくわれて2戦連続の転倒リタイヤに終わった。

ロレンソはメルボルン郊外の病院にヘリコプターで搬送され、指の靱帯と神経を修復する手術を受け無事に成功。ただし回復には時間がかかり、シーズン残り2戦は欠場することとなった。

MotoGPクラス決勝結果


Moto2クラス決勝結果

125ccクラス決勝結果

脚注

参考文献

  • “MotoGP Official Website”. 2011年12月13日閲覧。



F1 2011 Rd.1 オーストラリアGP 優勝はベッテルの手に!! RACE DAY 日記

Honda ロードレース世界選手権 第14戦 オーストラリアGP

2011 Australian Grand Prix in pictures

2011 MotoGPレポート 第7戦 オランダ DUCATIサーキット情報局 バージンドゥカティ

2011 MotoGPレポート 第7戦 オランダ DUCATIサーキット情報局 バージンドゥカティ