タイリー山(Mount Tyree)は、南極大陸のセンチネル山脈にある山である。標高は4852mで、ヴィンソン・マシフに次いで南極大陸で2番目に高い山である。ヴィンソン・マシフより北西に13kmの位置にあり、北にはパットン氷河、南東にはチェルベラティ氷河がある。

歴史

タイリー山は1958年1月に、アメリカ海軍のVX-6飛行隊による偵察飛行中に発見され、その月の後半にマリーバードランド横断探検隊によって地図上での位置が特定された。山名は、1959年4月14日から1962年11月26日まで、米海軍南極支援部隊の指揮官であったデビッド・M・タイリー中佐に因む。

2017年現在で、タイリー山山頂への登頂は6回行われており、合計で15人が登頂している。登頂ルートは3つある。1967年1月にジョン・エヴァンス、バリー・コーベットによって初登頂が行われた。1989年1月にマグス・スタンプ(Mugs Stump)、1997年にフランスの登山家アントワーヌ・ド・シュダン(Antoine de Choudens)とアントワーヌ・ケイロル(Antoine Cayrol)、1997年後半にはコンラッド・アンカーとアレックス・ローが登頂した。2012年1月3日、ハンス・カマランダー、ロバート・ミラー、クリスティアン・シュタングルは、フランス隊のルートを使用して5回目の登頂を行った。タイリー山の南面は高さ2000mの南極大陸最大の壁の1つで、まだこのルートを使用した登山者はいない。

2017年1月16日、5人の登山者がフランス隊のルートによって6回目の登頂を行った。登頂者は、Richard Thurmer, Jr, Victor Saunders, Maria "Pachi" Paz Ibarra, Seth Timpano, Todd Tumoloである。Richard Thurmerはタイリー山に登頂した初のアマチュア登山家である。ヴィクター・サンダースはタイリー山登頂者の中で最高齢(66歳)であり、Maria "Pachi" Paz Ibarraはタイリー山に登頂した初の女性である。この登頂は、初登頂から50年目であり、それまでの登頂者10人の50%に当たる5人が参加したことから、「タイリー50/50探検」と名付けられていた。

近くのヴィンソン山と同様に、チリのプンタ・アレーナスからユニオン・グレーシャー・キャンプまで飛行機で6時間、そこから雪上飛行機で200kmでベースキャンプに到達する。

登頂

地図

  • D. Gildea and C. Rada. Vinson Massif and the Sentinel Range. Scale 1:50 000 topographic map. Omega Foundation, 2007.
  • Antarctic Digital Database (ADD). Scale 1:250000 topographic map of Antarctica. Scientific Committee on Antarctic Research (SCAR). Since 1993, regularly updated.

関連項目

  • エルスワース山脈
  • セブン・セカンド・サミット

脚注

外部リンク

  • "Mount Tyree" on Mountain-forecast.com
  • Photo of Mount Tyree on Secondseven.org
  • "Mount Tyree" on Peakery.com
  • Distant view of Tyree from Vinson on Summitpost.com
  • [1]

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