『DJMAX TECHNIKA』(ディージェイマックス テクニカ)は、韓国のゲーム開発・販売会社PENTAVISIONの音楽シリーズ『DJMAX』の内、アーケード向けに製作された作品、及びそのシリーズの総称。省略して「DMT」とも表記する。
筺体は、実際にプレイするための22インチタッチディスプレイと、ギャラリー用の32インチワイドディスプレイ、プレイに合わせて振動する床等が備わっている。
日本国内では2010年12月21日にコナミデジタルエンタテインメントと提携して稼動が開始された。ただ共同稼働以前にも、日本の一部で欧米版が輸入されており、PENTAVISION主催のロケテストも実施されていた。 海外では2011年10月に続編であるDJMAX TECHNIKA3が稼働している。
2013年12月31日、アーケード版(DJMAX TECHNIKA3と日本版DJMAX TECHNIKA2)のオンラインサービスが終了。現在稼働している筐体はすべてオフラインである。
2014年8月11日にNurijoy社から同筐体を用いたBEATCRAFT CYCLONが稼働している。
2017年に発売された『DJMAX Respect』にはTECHNIKAシリーズの楽曲が本家シリーズ同様の縦降り式の譜面へと作り直され、ダウンロードコンテンツとして(一部を除き)配信されている。
筐体
- OS : Windows XP Embedded
- CPU : Intel Celeron E1200 (1.6GHz) (一部では E1400 )
- RAM : DDR2 667MHz 1GB (一部では 2GB)
- VGA : NVIDIA Geforce 8600GT (一部では ATI Radeon 3870)
- Creative Technology製サウンドカードSound BlasterAudigy搭載
- 22インチ赤外線式タッチパネル
- 筐体上部にギャラリー用32インチモニターを標準搭載
- 筐体下部に音声出力端子搭載
遊び方
ゲーム画面が(中央の一本を除き非表示であるが)横線で分割され、その区間が「ライン」と呼ばれる。中央の黒線によって画面が上下半分に分割され、それぞれ一小節(曲の速さと譜面によっては二小節)の長さになる。 従って曲の速さによって判定ラインの速さも変わる。ブロークンビートなど途中でBPMが変化する場合それに合わせてライン速度が可動。また演出の一つとしてラインが停止、BPMは同じながらライン速度が常時可変する譜面もある。ラインの数は基本的に八本だが、上下半分は同じラインになるため実質四本しかない。 ノートはこのラインに配置され、横方向に流れる判定ラインにあわせてノートをタイミングよくタッチして演奏することが目的になる。
画面上方に「グルーヴケージ」があり、これの量によってクリア可否が判定されるがモードによって判定基準が異なる。 『DJMAX』シリーズの特徴とも言える正確度システムは撤廃され、「MAX」「COOL」「GOOD」「MISS」「BREAK」の5段階になった。グルーヴゲージは「GOOD」以上の判定を出し続けることで増え、逆に「MISS」か「BREAK」すると減少し、完全になくなると即座にゲームオーバーになる。
ノートには5種類があり、それぞれ操作方法が異なる。
- ノート
- 金属枠にピンク色のノート。横方向に流れる判定ラインにあわせてタッチで演奏できる。
- ホールドロングノート
- 青色の長いノート。丸い部分を終点まで押し続ける。途中で離れると「BREAK」になる。
- ドラッグロングノート
- 黄色の長いノート。判定ラインにあわせてノートをなぞっていく。判定ラインかノートから離れすぎると「BREAK」になる。
- チェーンノート
- 黄色のいくつかの関節で接続されたノート。判定ラインにあわせてなぞるが、関節部と判定ラインのタイミングを合わせる必要がある。
- リピートノート
- 紫色のノートに同色のマーカーがバーで接続されており、マーカーのタイミングで最初のノートの部分を繰り返しタッチする。タッチする頻度と、ノートとの組み合わせによっては最も難易度の高いパターンになり得る。このノートをより正確にプレイすることはほとんどの高難易度曲をクリアするための鍵になる。
- 2からは接続されているバーの部分が太くなったノートが追加され、その部分では最初のノートの部分をホールドロングノートと同様に終点の部分まで押し続ける。
DJMAX TECHNIKA1
シリーズ最初の作品。 コインを入れてゲームをはじめると、最初に専用カードによる認証が求められる。カードがなくても先に進めるが、プレーヤ資料、プレイ記録、解禁曲などの情報が一切記録されない。 カードで認証するか、「カードなし」のボタンをタップすると次のモード選択画面に進める。 「LiteMixing」、「Popular Mixing」「Technikal Mixing」「Platinum Crew」4つのモードから選択する。
- Lite Mixing
- 初心者用モード。ソフトでかわいいデザインに基づいている。テーマカラーは緑。
- 冒頭にチュートリアル(デモプレイ)があり、プレイ方法について学習することができる。また、アップデートによりプレイ中に手型の「お手本」が出現する。また、このモードではグルーヴゲージのデザインが曲「はじめだけ難しい」のムービーに登場するキャラクターに変化する。
- 3ステージ。ステージごとに規定された曲から好きな曲を選択できる。一曲目だけはクリアできなくても次のステージに進める。グルーヴゲージは他のモードに比べて減りにくく、回復しやすい。
- このモードで出現する譜面はLite Pattern(LP)と呼ばれる。ラインは3本のためノートが大きく表示される。さらに難易度が低く、曲やリズムを慣れるのに役に立つ、『DJMAX』シリーズの「EZ」譜面に該当する。
- 初心者用モード。ソフトでかわいいデザインに基づいている。テーマカラーは緑。
- Popular Mixing
- ゲームシステムに慣れたプレイヤー向けの、標準的なモード。鮮やかかつスマートなデザインで、テーマカラーはピンク。通称「POP」。
- 3ステージ。ステージごとに規定された曲から好きな曲を選択できる。Lite Mixing同様、一曲目だけはクリアできなくても次のステージに進める。ただグルーヴゲージはLiteモードよりやや減りやすく、回復量が少なくなっている。
- 隠し曲はすべてこのモードに追加されるが、それらを含む全ての曲ごとに出現するステージが決められている。
- このモードで出現する譜面は殆どの隠し譜面を除いてPopular Pattern(PP)と呼ばれる。ラインは4本で、難易度は幅広いがほとんど下述のTPより簡単である、『DJMAX』シリーズの「NM」譜面に該当する。
- Technical Mixing
- 中級~上級者向けモード。ややシャープなデザインで、テーマカラーは紫。幾つかの曲セットから任意に三曲を選択しノンストップでプレイする。MAX POINT(通貨)と経験値の清算はクリア後で、途中でゲームオーバーになった場合は完全に破棄されてしまう。
- 4ステージ。セットごとに決められた7曲から3曲を自由に曲順を決めてプレイし、最終ステージは前3曲のMAX判定の割合で分岐する。
- グルーヴゲージ判定が最も厳しく、ステージの進行につれ一回のミスでの減少量が大幅に増加し、回復量が極端に下がる。最終ステージではほとんど回復しないという状況になり、一度のミスも許されなくなる。またこのモードのみゲージは4分割されており、1ステージ開始する毎に1/4が開放されて相応の量だけミスすることが許される。許容量を下回るとゲージが赤く点滅し、この状態では曲を最後まで演奏できてもゲームオーバーとなる(即ち、1ステージ目は終了時ゲージの3/4を維持しなければならない)。なおゲージが規定量を下回っても、指定された量まで回復したならばゲージ点滅が停止しクリアが認められる。
- このモードで出現する譜面はTechnical Pattern(TP)と呼ばれ、ラインは4本だが通常同曲のPP譜面よりも難易度が高い。ただし稀に「Sweet Shining Shooting Star」のようにPP譜面が高難易度セットにて出現することもあり、必ず難易度の高いほうがTPになるわけでもない。それを除けば『DJMAX』シリーズの「HD」譜面に該当するといえる。
- Platinum Crew
- ネット専用モード。「プラチナ」を意識してかクールなデザインで、テーマカラーは青みがかかった銀色。ネットワーク接続している筐体に限って、専用ICカードを認証してから選択できる。
- 3ステージ(ゲーム内表記では?ステージになっているが、実際コンテンツに3ステージの項目しかない)。個別選曲・曲順指定は不可能で、あらかじめ用意されたコースから選択する。これらのコンテンツは4つの種類に分かれて定期にアップデートされていく。
- グルーヴゲージの減少はPopular Mixingより少し高いが、Technical Mixingと比べれば格段に回復しやすい。
- 原則としてラインは4本だが、難易度は初心者用から超上級と幅広い。
- PLATINA:MAX POINTを消費してミッションコースに挑む。特定の条件下でクリアすればMAX POINT、隠し曲、隠しセットなどのボーナスが与えられるが、条件を満たせないと報酬はなくなる。
- ミッションのクリア条件はスコア、コンボなどオーソドックスなものからエフェクターがかかった状態(いわゆるオジャマプレイ)までと様々な条件が課せられる。高難易度のミッションほどクリア条件が厳しくなることも多い。
- 隠し曲はPopular Mixingで、隠しセットはTechnical Mixingでそれぞれプレイできる。ただしMAX POINTを除いたこれらの報酬は回数リミットがあり、1回クリアにつきプレイ回数が3回追加される。
- CHAMPION:海外版では不定期に開催される大会に参加することが出来たが、日本版では開催予定がないまま展開が終了した。
- WEEKLY:週ごとに入れ替わるコース。明示こそされないものの、週ごとにテーマがついていることがある(特定のアーティストや、最も人気が低かった3曲など)。MAX POINTが消費されず、クリアすると報酬としてMAX POINTを入手できる。
- SPECIAL:月ごとに追加されるコース。既存の曲におけるSpecial Pattern(SP)と呼ばれる譜面を3曲配信。前述のTPよりも難易度が高く、稀に曲自体が変化するなどの例外がある。
- ほとんどはMAX POINTがクリア報酬としてもらえるが、海外版ではSP譜面のみで構成されるTechnical Mixing用の隠しセットが報酬となったコースが二つ配信された。
- PLATINA:MAX POINTを消費してミッションコースに挑む。特定の条件下でクリアすればMAX POINT、隠し曲、隠しセットなどのボーナスが与えられるが、条件を満たせないと報酬はなくなる。
DJMAX TECHNIKA2
シリーズ2作目。前作の世界観から一変してカラフルでポップなテーマになり、収録曲もDMT2の新曲だけでなくDJMAX Online以来の曲など大幅に追加され、総数100曲を超えた。
主な変更点
- システム
- カードはオンライン専用になった。オフラインの場合、カード認証の過程自体が省略され、オフラインモードでカードを使うことができなくなった。
- 前作ではアイキャッチ・ディスクイメージが譜面ごとに違ったが、一種類に統一された。それに伴い難易度の表示が枠の色で区別されるようになった。
- カードをホームページに登録する時、あらかじめそのカードでプレイする必要はなくなり、直接登録できるようになった。また、筐体でのカードデータの引継ぎや引越しができるようになった。
- MAX POINT SHOPが追加された。前作ではミッションにしか使い道がなかったMAX POINTだが、今作ではこれを通貨としてノート、アバター、曲、曲セットなどの様々なアイテムを購入できるようになった。
- これによって出現したアイテムは永久に有効で、回数制限がなくなった。
- 本作から難易度の表記はDJMAX Portableシリーズ同様に、「NORMAL」「HARD」「MAXIMUM」の3つに変更された。モードではなく難易度依存のため、完全に前作のPP、TP、SPに当てはまらない場合もあるため選曲の時に注意が必要。また、難易度ごとに色がつけられ(それぞれ黄、青、赤)、CLUB MIXINGで選曲するときはディスク枠の色からどの譜面か判るようになっている。
- 採点方式が変更された。従来のノーツ毎に一定加算する方式から理論値固定方式を採用。曲ごとの最高スコアは300000点(基本スコア290000点とコンボボーナス10000点)。それに合わせて、今作のロングノートとドラッグノートはコンボが増えるが、基本スコアはノート一個分しかなくなった。
- ロングノートが一個分の体力しか回復しなくなった。これに伴いいくつかの譜面で難易度が上昇。
- 判定のMAXが虹色と緑色の二種類に分かれた。虹色MAXは「PERFECT MAX」に呼ばれ、得点は緑色MAXよりも一点高くなる。実は前作でもグラフィックが同じだけで、この判定は既に存在していたが、本作から正式に差別化された。
- FEVERシステムが追加された。DJMAX PortableシリーズのFEVERシステムとは異なり、FEVER発動中はノートに金色のエフェクトがかかり、COOL以上が金色のPERFECT MAX表示になる。また、FEVER BONUSとして緑MAX×1点、COOL×3点が加算される。
- 2011年に行われたアップデートでFacebook・Twitter連動機能が追加された。日本版では最初から実装されているが、正常に機能しない。
モード
モードセレクト画面で選択できるモードが5つになり、名称も異なる。
- DUO MIXING -2 Stages-
- 新しく追加された二人で遊ぶモード。画面全体が左右大きく分かれ、それぞれに判定ラインが流れる。
- ルールは同じだが、このモード専用の譜面が用意されているため、選択できる曲は決められた18曲に固定される。
- またBGAが汎用のものに変更されている。
- グルーヴゲージとFEVERはなく、二人のプレーヤのレートのみが表示される。そのためゲームオーバーはないが、ステージ数は2と少ない。なお、カード認証有無を問わず最初の画面で二人のDJネームを入力する必要がある。
- STAR MIXING -3 Stages-
- 前作のLite Mixingに該当するモード。冒頭にチュートリアルムービーがあり、今作追加されたリピートロングノートについても説明される。
- モード専用の譜面が用意されている(表記はNORMALだが、あくまで「3ライン譜面のNORMAL」なので注意が必要)。
- 前作と違い、途中でグルーヴゲージがなくなってもその曲の最後にプレイできるが、いったんなくなると回復しない。一曲目だけは失敗しても次に進めるが、2曲目以降は曲リザルト画面が表示されてからゲームオーバーになる。
- FEVERはなく、代わりに押す目安を示すお手本のON/OFFを切り替えられる。
- POP MIXING -3 Stages-
- 前作のPopular Mixingに該当するモード。
- 選択できる楽曲はステージごとに固定だが、それぞれ譜面・ステージ毎に購入することで対応したステージに常駐させられるようになった。
- CLUB MIXING -4 Stages-
- 前作のTechnical Mixingに該当するモード。ただし難易度が低めのセットが用意され、とっつきやすくなっている。
- コースセットが7曲から6曲に減少。また4曲目の分岐条件が変更され、3ステージで何を選曲したかによって決められる。
- 既存曲のフルバージョンといった一曲が長時間に渡るもの(例:SON OF SUN -Extended Mix-、NB Ranger : NonStop Remix)も、単独のコースセットという形で収録されている
- CREW RACE -3 Stages-
- CPU/プレイヤーが設定したコースでスコアを競う新モード。
日本語版の主な変更点
- TECHNIKA3よりKARAの楽曲が先行収録。それ以外もアップデートで収録されるかは不明
- Max Point Shopの値段(楽曲、セット、アバター)が大幅値下げ。CHALLENGER setに至っては9割引とかなり値段が抑えられている
- In my Heart、The Clear Blue Sky のプレビュー映像が日本語版になっている(実際のゲーム中は英語版)
- Ask to Wind、Ask to Wind(Live Mix)、Cosmic Fantastic Lovesongは日本語版が存在するが、今回は韓国語Verとなっている。
- XLASHERの字幕が日本語仕様になっている。
ディスクセット
Technika 1 Disc Set
Technika 2 Disc Set
DJMAX TECHNIKA3
シリーズ3作目。再び初代のような硬派なデザインに回帰し、難易度が大幅に上昇しているExtra譜面が追加された。新曲の他にPortable3の曲を収録。 日本では発売されなかった。
主な変更点
- システム
- DUO MIXINGが廃止。
- 新しくExtra譜面が追加。現在CREW CHALLENGEでのみプレイ可能なため、初代Platinum MixingのSP譜面に近い存在になっている。
- 新モードCREW CHALLENGE追加。
- STAR MIXING -DIFFICULTY NORMAL-
- POP MIXING -DIFFICULTY HARD-
- CLUB MIXING -DIFFICULTY MANIAC-
- CREW RACE -DIFFICULTY VARIOUS-
- CREW CHALLENGE -DIFFICULTY VARIOUS-
- 新モード。Platinum Mixingや、DJMAX PORTABLEシリーズのXTREME CHALLENGE,Missionに相当するミッションコースモードだが、新たに判定の緩急やHPの減少加減などさまざまなオプションが付けられている。
- Crew Challenge
- 週代わりでクルーチームごとに用意されるミッション。クルー内でのクリア人数が規定を満たすと完了となる。
- Challenge Mission
- テーマごとに括られた、全プレイヤー共通で遊べるミッション群。
- Special Mission
- クリスマスや夏休みなど、期間限定で設けられるチャレンジミッション。
ディスクセット
Technika 1 Disc Set
Technika 2 Disc Set
Technika 3 Disc Set
Crew Challenge Mission
Crew Mission (Weekly)
To use this mode, crew member status required.
Challenge Mission
Special Mission
DJMAX TECHNIKA TUNE
シリーズ初のコンシューマー機作。TECHNIKA2をベースにしているが、DJMAXシリーズの正確度システムが復活していたり、画面の大きさに合わせて3ライン譜面がメインであるなどのアレンジもある。
日本語版が2012年9月27日にサイバーフロントから発売。
DJMAX TECHNIKA Q
TECHNIKA TUNEとDJMAX RAYをベースにした、iOS/Android用の基本無料(追加楽曲・アイテム課金)ソフト。 3ライン譜面に加え新たに2ライン譜面が追加された。
作品一覧
- DJMAX TECHNIKA
- 日本国内では2010年12月21日にコナミデジタルエンタテインメントと提携して稼動が開始された。2012年11月5日午前10時(日本標準時)を以てオンラインサービスを終了した。
- DJMAX TECHNIKA2
- 2010年6月18日から韓国で稼動開始。中国では8月末に稼動開始。日本国内では2012年2月から行われたロケテストを経て同年9月27日より稼働開始。
- DJMAX TECHNIKA3
- 2011年10月27日から韓国で稼働開始。2012年1月17日から中国で稼働開始。
脚注
関連項目
- DJMAX
- PENTAVISION
- Cytus
外部リンク
- DJMAX TECHNIKA - BEYOND THE FUTURE(日本語)
- DJMAX Platinum Crew




