聖ペドロ・ノラスコの幻視』(せいペドロ・ノラスコのげんし、西: Visión de san Pedro Nolasco, 英: The Vision of Saint Peter Nolasco)は、スペインのバロック絵画の巨匠フランシスコ・デ・スルバランが1629年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。13世紀にメルセダリオス・カルサードス会をスペインに設立した聖ペドロ・ノラスコを主題としており、本来、本作は彼を描いた22点の連作に含まれていた。1808年に絵画はセビーリャ大聖堂のロペス・セペロ (Manuel López Cepero) 司祭により購入され、1821年に彼は自身のコレクションとともにフェルナンド7世 (スペイン王) に譲渡した。現在、マドリードのプラド美術館に所蔵されている。

作品

上記の連作は、ノラスコの幻視を描いたものと彼の生涯にまつわるものに大別されるが、本作は対になる『聖ペドロ・ノラスコに現れる聖ペテロ 』 (プラド美術館) とともに幻視を題材としたものである。両作は、ともにメルセダリオス・カルサードス会 (メルセド騎士団) (スペイン史のレコンキスタの時期にイスラムの所有者に捕えられていたキリスト教徒の奴隷を買い戻した) がメルセダリオス・カルサードス修道院 (現在のセビーリャ美術館) のために、メルセダリオス・カルサードス会と修道院を設立したペドロ・ノラスコがウルバヌス8世 (ローマ教皇) から列聖された年に委嘱された。メルセダリオス・カルサードスリオス・カルサードス会はまた、ペドロ・ノラスコの列聖の折に他の20点の絵画も委嘱したが、本作と対作品に加えて9点が現存するのみである。

本作では、メルセダリオス・カルサードス会を静穏な精神性を持つものとするスルバランの解釈にしたがってペドロ・ノラスコの超自然的な奇蹟が激しいコントラストなしに率直な方法で描かれている。ペドロ・ノラスコは『黙示録』にある天国のエルサレムを夢見ているところである。エルサレムは画面上部左側にあり、ペドロ・ノラスコの右側にいる天使によって指し示されている。エルサレムは門のある城塞都市として着想され、跳ね橋には多くの人が行き来している。おそらく依頼主の要請で、ペドロ・ノラスコは白くなった髪の毛と髭のある、若い修道士の規範となるべき壮年の人物として描かれている。

脚注

参考文献

  • ジョナサン・ブラウン 神吉敬三訳『世界の巨匠シリーズ スルバラン』、美術出版社、1976年刊行 ISBN 4-568-16038-3
  • 国立プラド美術館『プラド美術館ガイドブック』国立プラド美術館、2009年。ISBN 978-84-8480-189-4。 

外部リンク

  • プラド美術館公式サイト、スルバラン『聖ペドロ・ノラスコの幻視』 (英語)

スペインの画家スルバランがアツい! アート名画館 公式ブログ

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