金剛薩埵(こんごうさった、梵: Vajrasattva、蔵: rdo rje sems dpa', rdor sems)は、大乗仏教における信仰対象である菩薩または如来の一尊。中期密教においては大日如来の教えを受けて法門を結集し、それを龍猛(龍樹)に伝えた菩薩とされ、真言密教においては付法の第二祖とされる。後期密教においては、法身普賢(普賢王如来)、持金剛と並んで本初仏(原初仏)へと昇格した。金剛(ダイヤモンド)のように堅固な菩提心を持つと称される。
金剛薩埵と持金剛
金剛薩埵(Vajrasattva)と持金剛(Vajradhara)はしばしば混交して信仰されることがあるが、本来的に別個の尊格である。
真言・三昧耶形・種字
真言は、
- オン・バサラ・サトバ・アク (唵嚩日囉薩怛嚩噁)
- Oṃ Vajrasattva āḥ
三昧耶形は金剛杵(金剛界曼荼羅では五鈷杵、胎蔵曼荼羅では三鈷杵)。
種字はバン(वँ、vaṃ)。
脚注
注釈
出典
参考文献
- 『印と真言の本』学研 2004年
- 吉崎, 一美 (1994). “ネワール仏教における金剛阿闍梨, 金剛薩埵, 持金剛”. 印度學佛教學研究 (日本印度学仏教学会) 43: 310-307. doi:10.4259/ibk.43.310.
関連項目
- 密教 - チベット密教
- 法身普賢
- 准胝観音(尊那仏母)
- 大日経/金剛頂経 - 理趣経
- 仏の一覧




