キュナーダー(英語: Cunarder)は、かつてイギリスの都市・グラスゴーに存在した路面電車(グラスゴー市電)で使用された電車の愛称。第二次世界大戦後に導入された車両で、2024年時点でイギリスにおいて最後に全部品が新造された2階建て路面電車車両でもある。
概要
第二次世界大戦前から導入されていた「コロネーション」の基本的なデザインを継承した、流線形の車体を有する2階建て電車で、1階部分の右側に乗降扉を有していた。コロネーションとの改良点としてメンテナンスの容易化や重量の軽減、車体長の延長などがあり、着席定員数も増加した。機器や台車については大幅な変更が行われ、マレー・アンド・トーントン製のインナーフレーム台車やメトロポリタン=ヴィッカース製の電空協調制御装置(EP Control Gear)が用いられたが、運行開始後は機器の信頼性の低さが課題となった。
1948年から1952年にかけて合計100両(1293 - 1392)が製造された。前述の通り機器の信頼性は低かったものの、1961年に発生した車庫の火災などの影響もあり、1962年9月4日のグラスゴー市電の廃止まで営業運転に用いられた。
2024年現在、クライチの国立路面電車博物館に1297が、グラスゴーのリバーサイド博物館にラストナンバーの1392が保存されている。
脚注
注釈
出典
参考資料
- J. C. Gillham; R.J.S. Wiseman (2002-4-26). The Tramways of Western Scotland. LRTA. ISBN 978-0948106286



